ラジオCMの分析
たとえば、オーケストラの指揮者は、大編成の楽器のそれぞれのパートの音を聞き分けるだけでなく、一人の演奏者のミスも聞き逃してはなりません。
ヴィオラのなかの誰が音程を間違えたか、フルートの2本のうちの1本が音程をハズしたとか、即座に指摘しなければなりません。
・・・しかし、正規の音楽学校で音楽を専攻していなくても、オーディオ・マニアなどは多量のレコード音楽に接しながらシリアスに耳を訓練し、指揮者に劣らない別能力を養うことができた人もいます。
そして譜面上の演奏のミスだけでなく、オーケストラのアンサンブルやハーモニーなど質の面の評価はもちろんのこと・・・
指揮者によるそれらの個性的な表現の差違についての記憶、さらには録音時のホールやスタジオの条件とマイクロフォン特性、レコード・カッティング時の特性まで、データに異常にうるさいレコード・マニアも存在することが知られています。
なにも音楽だけとは限りません。
愛情ふかい母親は乳児の泣き声でその条件がすぐわかるといわれますが、これなども反覆による訓練で耳の識別能力がかなり上がるものであるということができるでしょう。
要は、ラジオCMをつくろうとする者にとって、音というものに対する自己訓練が大きな役割をもつということなのです。
音を分析し、音の断片のそれぞれのもつ意味をよく把握することこの努力は、それらの音の断片を再構成してラジオによる表現を試みていくために、もっとも基本的なことであるということができます。
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